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やる夫スレの「『あなた』はホグワーツで将来を模索するようです」を読んだ感想。
耳コピなんて知らないわぁ~♪

作品を読みたい方はこちらからどうぞ
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・概要
主役、脇役の登場キャラ、物語の流れの大本は読者が案を出して決めるという大規模な読者参加型安価式長編作品。
たまに理不尽な方向に話が進むこともあり、読者も作者すらも困惑するような展開になるのは思わずクスッとなります。

そもそもの話、やる夫スレでは各作者の手腕により、作中様々なキャラクターが登場します。
作品によっては2chのAAキャラしか出てこなかったり(むしろこっちのほうが多い気が)
版権キャラクターしか出てこなかったり……あるいはその両方が出てきてキャラがごった返したりしています。

この作品では版権キャラが主役、脇役を占めていて2chのキャラであるやる夫、やらない夫はゲストキャラ扱い。
先ほども述べた通り、登場するキャラはすべて読者に一任しているのでこうなるのはまあ当然かもしれません。
こういう場では誰だって自分の好きな作品のキャラが採用されて欲しいものでしょうからね。(僕にもチャンスがあったら……)


・文章力・筆の速さ:★★★★★★

まさに文句のつけ様がありません。そしてかなりの速筆です。安価の捌き方も心得ています。
比べるのも憚れますが、こと文章を書く早さに関してはかまちーレベルじゃないかと思えます。
勉強させてもらってます。

・ストーリーの面白さ:★★★★☆☆

独創性はありませんが、先が気になる展開を上手く作る手法を持っておられます。
作中頻繁に現れる理不尽な安価やダイスの結果により、さらに展開が読めなくなる面白さが良いですね(これさっきも言ったな)

1年目の「サヤカ・ミキ」首謀の事件のように、あまりにスムーズに物事が進んでしまうと
あっけなく展開が終わってしまうこともありますが、その辺は
イッチの文章力やストーリー構成の上手さで難なくカバー出来ています。

ただ、何も知らない人がこの作品を読むと、主人公キヨマロは『メアリー・スー』だと思われてもおかしくは無い……。
主人公の理不尽な強さも全て安価によって、読む側であるスレの住民が決めたことですから、仕方ないんですけどね。
擁護のつもりで言うと、作品内で原作に出てくるキャラを貶すような真似は一切しておりませんよ。
(強いて言うならハリー・ポッターを「デウス・エクス・マキナ」と腫れ物扱いしているところか?)

・キャラクターの原作再現度:★★★☆☆☆

前述のとおりこの二次創作は多くの一時創作から版権キャラを借りて物語が進んでいます。
この項目は版権キャラの口調その他モロモロを鑑みて不自然さを感じるか感じないかを評価しています。

で、この場合「キャラの特徴、口調はまったく無視しているわけではない」といったレベルです。
キャラによって再現度はまちまちですがね。
スレの住民にも、イッチに対して「キャラが全然違う!」と不満をぶつけてきた人は
自分が見た限りではあまりいませんでした。あったとしても大体イッチに対して好意的な言い方でした。

しかし、これがアスキーアートを使わない文章オンリーの作品だとしたら
この小説に出てくるキャラの印象は途端に「版権キャラの皮を被った何か」となります。

何故かというと、イッチの今までに培ってきたであろう人生観がそのままキャラの会話などに現れていて
例えば主役や脇役が主に人間関係に悩んでいる時などに、別のキャラにアドバイスを貰う場面が多々あるのですが
その内容が一種の人生相談(自己啓発?)染みた内容になっている部分があったりして……。
(相談する側のキャラに対してお前が言える立場か?といったケースは全然ないのでご安心を)

つまりはキャラの造形や会話の節々にどうもイッチの癖が見え隠れするというか、なんというか
村上春樹の作品の登場人物はもれなく全員頭良さそうみたいな……
このキャラはこういうことしか言わない」という"要素"が見受けられない。そんな印象です。
この"要素"ってのはキャラの性別や性格、口調では片付けられないような重要なファクターだと僕は考えます。

例え話をしましょう。

Aさんがとても複雑で怪奇な悩みごとを抱えています。


モヤモヤするので先輩のBさんに相談しに行くことにしました。


相談を受けたBさんは、そのキャラの抱えている悩みの核を的確に当て、的確に処理する方法を教えてくれました。


そしてその相談を持ちかけたAさんは、そのアドバイス通りに実行し、悩みは見事円満解決しました。


ここでいうBさんの立場は作中登場するほとんどのキャラに当てはめることができます。そんな都合の良い世界です。
主人公がスリザリン寮に配属されてたら、
作中屈指の悪役である「サヤカ・ミキ」にすら当てはまっていたかもしれない。
主人公キヨマロくんの仲間たちはとても頼りになる方々ですね。

○○はこんなキャラじゃない!みたいな文句は僕もあまり好きではありませんが
それを踏まえてとても違和感を感じたのは「めだかボックス」から登場する
「球磨川禊」を使った「ミソギ・クマガワ」というキャラですかね。カッコなんて無かった。以上。

まあ自分の作っている作品ですものね。自分の好きなようにやるのは当然でしょう。
「闇抱えてる女の子を描写するのが好き」みたいなことをイッチ自身も言ってましたし。
そもそも安価やダイスで展開が決まるタイプの小説ですし、誰がやるにしても
安価の性質上キャラの役割が頻繁に変わりやすいのでこうなるのは必然なのかもしれませんね。


・全体的にネットスラングを使っている

スレの内容、住民を見る限りでは2ch系まとめサイトで把握できる程度の猛虎弁、淫夢語録が
(頻繁にではありませんが)交流やキャラの会話にも使われています。例:「イッチ」「(震え声)」「~やで、~やろ」
嫌いな人はとことん嫌いなので一応。

個人的に、あくまで個人的にですが、ここはちょっと嫌だなぁと思ってしまいました。
僕もニコニコ動画の淫夢タグ、なんJタグが付いている動画内ではバリバリと語録を使っているんですが
こうもまったく関係ないところで使われるのを見かけると何かイラッとくるってのは……
僕が害悪な原理主義者タイプなだけです。本当にありがとうございました。


それにつけてもやっぱ面白い!いつか完結するという事実を受け入れがたく感じるほどの良い作品でした。
やる夫スレ全般に言えることですが、ちょっと読む人を選ぶ作品です。でも合う人には合う作品DA!!
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